公開鍵暗号とは何か
過去の記事のおさらいです。
現代暗号には、「共通鍵暗号」「公開鍵暗号」「ハッシュ暗号」があり、
その中の「共通鍵暗号」には、メリットとデメリットがあることを紹介しました。
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共通鍵暗号方式のメリット・デメリット
特に、デメリットとして、膨大な鍵が必要になること、
「鍵配送問題」として大きな問題があることをご紹介しました。
今回は、そのデメリットを解決することになった、
1970年代に発明された「公開鍵暗号」という概念についてご紹介します。
2つのカギ
公開鍵暗号では、暗号化と復号化に2つの異なるカギを使います。
もちろん、この2つは対(セット)です。
それぞれ、「公開鍵」と「秘密鍵」と呼ばれます。
第三者に見られてもOKなカギだから、「公開鍵」。
絶対に知られないように自分だけで秘密にしておくカギだから、「秘密鍵」。
どういうことか、まだ漠然としていますので、
簡単な事例とともにご紹介します。
「公開鍵暗号方式」でデータを送信する
たとえば、AさんからBさんへ、データの通信を行いたいと仮定します。
このとき、Bさんは一対の公開鍵と秘密鍵のセットを生成します。
そして、Aさんに「Bの公開鍵」を渡します。
Aさんは、Bさんに渡したいデータを、「Bの公開鍵」でロックします。
メールであれば、外からは何が書いてあるか分からない状態になります。
これをBさんに渡します。
Bさんは、暗号化されたデータを「Bの秘密鍵」で復号します。
これで、第三者から傍受されても、複合できる唯一のカギ、
「Bの秘密鍵」を持たない以上解読は不能になるのです。
南京錠のたとえでよく使われます。
公開鍵が錠の方で、秘密鍵が鍵の方です。
以上が、「公開鍵暗号」の概略です。