ポート番号について
ネットワーク技術を扱うとき、
IPアドレスと同様に必ず必要となる情報、
それがポート番号です。
今回は、ポート番号の基礎について解説します。
ポート番号の比喩
ポート番号について、分かりやすいのがマンションの例えです。
IPアドレスは、「アドレス」という言葉からわかるように、
ネットワーク機器の住所に例えられます。
マンションの住所を示すのがIPアドレス。
そして、部屋番号を示すのがポート番号です。
サーバーは、全世界に存在します。
サーバーという箱をマンションと見立てて、
その部屋番号がポート番号と考えれば分かりやすいですね。
そして、同じコンピュータの中でも、複数のアプリケーションが動きます。
アプリケーションとは、ブラウザやメモ帳のように起動するものです。
たとえば、普段使うパソコンでも、インターネットを使いながら、
エクセルを開いたり、メールを使ったりしますよね。
同じように、サーバー上でも複数のアプリケーションが動きます。
このとき、どのアプリケーションと通信するかを指定する情報、
これがポート番号です。
ウェルノウンポートについて
ポート番号には、一般的に決められているポート番号があります。
代表的なのは、「ポート80番」です。
これは、WEBサーバーと通信するときに指定する番号です。
このように、一般的に決められたポート番号のことを、
「ウェルノウンポート」と呼びます。
例を挙げてみます。
20番:FTP(データ)
21番:FTP(制御)
22番:SSH
23番:Telnet
25番:SMTP
80番:HTTP
110番:POP3
443番:HTTPS
サーバーの設定をするときなど、これらの番号を非常によく目にします。
無理に暗記する必要はありませんが、
「ポート番号には決まったものがある」
ということは覚えておいて損はありません。
短命ポート(エフェメラルポート)とは
わたしたちのパソコンも、コンピューターですので、ポート番号があります。
サーバーと通信する際には、相手先のポート番号だけでは片手落ちです。
送り主側のポート番号も、データのやり取りをする以上必要な情報になります。
自分のパソコンで、同じアプリケーションで複数のサーバーと通信する例を考えてみましょう。
たとえば、同じブラウザで異なるサイトを複数閲覧する場合などです。
このとき、通信先は「80番」であっても、
データを受け取るこちらのパソコンのポート番号が、
全て同じポート番号だとするとどうなるでしょうか?
どのブラウザに表示させるべきかわからなくなりますよね。
そこで、送り主側のパソコンでは、アプリケーションごとに別のポート番号を割り当てます。
同じGoogle Chromeであっても、ブラウザごとにポート番号を変えているのです。
この割当ては、一時的なもので再利用されるため、
短命ポート番号(エフェメラルポート)とよばれます。
以上、ポート番号について基礎を説明しました。
Windowsなら「コマンドプロンプト」、
Macなら「ターミナル」で、今使っているポート番号を確認することが出来ます。
「netstat -n」とコマンドを打ち込んでみてください。
IPアドレスの末尾に、使用しているポート番号が表示されます。
ネットワークには必須の知識なので、
試しにコマンドをいじってみることをお奨めします。