「会計」には2種類あるのをご存知でしょうか?
会計の本を読んだことが無い方は意外と知らない内容です。
それは、「財務会計」と「管理会計」です。
まず、「財務会計」について。
会社とは、社会的な存在です。
会社の周りには、株主や取引先、銀行、証券会社、従業員、税務署など様々な利害関係者がいます。
これらの人々は、「会社が一体どういう状況にあるか」に強い関心があります。
結局、儲かっているのかいないのか、儲かっているのならどれくらいか、何故なのか、といった情報を求めています。
これら利害関係者(ステークホルダー)からの要望に応えるもの、それが「財務会計」です。
たとえば、会社が決算を行い、損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書などを発表するのはそのためです。
財務会計は、会社の外側にいる利害関係者に会計情報を発信することが目的です。
次に、「管理会計」について。
管理会計とは、経営管理に役立つ会計、経理のことです。
どうすれば会社が成長し、収益を上げ続けることができるか。
このような会社内部での検討、議論、報告に役立つ会計、それが管理会計です。
つまり、管理会計は会社の抱える課題を把握し、意思決定するために利用することが目的になります。
たとえば、新規事業をするかしないか、設備投資をどこまでやるか、値引きに応じるかどうか、輸出するかどうかなどです。
経営をする以上、意思決定には数値が必要です。
資金状態を正しく把握し、意思決定に利用できる状態に使いやすくする。
これが管理会計の役割です。
多くの会計資格で主に習う内容は、「財務会計」の内容です。
財務会計とは、定型的な業務です。
それは、コンピューターで代替できるということでもあります。
昨今コンピューターにより仕事がなくなる職種が発表されていますが、経理マンは今後職がなくなる代表例と言われています。
多くの企業が会計システムを導入していますが、基本的には「財務会計」の部分です。
管理会計部分は、自由度が高い分、Excel等で融通を利かして活用しているのが現状です。
まとめると、
「財務会計」:法律にのっとり、定型的な情報公開をするためのもの
「管理会計」:社内での経営判断にフォーカスしているため内部的で自由なもの