「原価計算」とは主に製造業の話になります。
簿記や会計の教科書で習うのは、製造業における「製造原価」の計算手法です。
製造原価は、3つに分けられます。
これは会計でも基本中の基本で、「原価の三要素」と呼ばれています。
経理を少しでも知っておきたい方は、しっかりと覚えておいてください。
①材料費:原料費や燃料費、工場で使われる消耗品費など
②労務費:工場で働く人の給料、賞与、アルバイト給料、退職金、福利厚生費など
③経費:材料費と労務費以外のもの。電気代やガス代、保険料や外注費など
注意しなくてはいけないのが、これらはあくまで「製造原価」であることです。
「販管費」ではありませんので、たとえば本社の事務員の給料などはここには含まれません。
「製品を作るのにかかったお金であるかどうか」がミソです。
業種によって差はありますが、
材料費が64%、労務費が13%、経費が23%程度が一般的な比率になります。
簿記では、これら3つそれぞれ「直接費」か「間接費」かの2種類に分け、
計6種類の分類で計算していくことになります。
つぎに、販管費の内訳を見てみましょう。
「販管費」とは、製造に関係しない部署、つまり販売部門や管理部門などで発生する原価です。
たとえば、役員報酬や営業マン・事務員の給料、出張代や交通費、交際費や広告宣伝費などです。
事務所の家賃やコピー機のリース料金、電話代金など多岐にわたります。
なので、「製造原価」以外の諸々と考えるといいです。
まとめると、
総原価
製造原価
材料費:原料費、買入部品費、燃料費、工場消耗品費、消耗工具器具備品費
労務費:賃金、給料、従業員賞与手当、雑給、退職給与引当金繰入額、福利厚生費
経費:測定経費、支払経費、月割経費、発生経費
販管費:役員報酬、給料、福利厚生費、旅費交通費、接待交際費、広告宣伝費、賃借料