情報セキュリティ対策|共通鍵暗号方式のメリット・デメリット

共通鍵暗号のメリデメ

現代暗号には、「共通鍵暗号」「公開鍵暗号」「ハッシュ暗号」があります。
コンピューターの世界では、基本的にはこれら現代暗号が使われています。

今回は、「共通鍵暗号」について、
そのメリット・デメリットをご紹介します。

共通鍵暗号のメリット

共通鍵暗号とは、暗号化と復号のどちらの操作にも同じ鍵を使う暗号方式です。
このことから、別名「対称鍵暗号」とも呼ばれます。

共通鍵暗号のメリットは何でしょうか?

それは、
「暗号化・復号化のコストが低い」
ことが挙げられます。

つまり、高速な処理が可能であるということです。

たとえば、膨大なデータサイズのファイルの暗号化には、
高速な処理ができる共通鍵暗号が向いているのです。

共通鍵暗号のデメリット

共通鍵暗号方式は、暗号文の送信者と受信者で共通の鍵を共有する必要があります。
つまり、通信する相手と自分で、鍵を受け渡しする必要があります。
この鍵を「どうやって安全に相手に伝えるか」が永らく問題になっていました。
なぜなら、この鍵が第三者に漏れてしまえば、暗号化の意味がなくなるからです。
これを、「鍵配送問題」といいます。

また、鍵の数が膨大になるのもデメリットです。
たとえば、XさんとYさんのやり取りだけであれば鍵は1つで十分ですが、
Zさんが登場するとどうなるでしょうか?
相互に通信を覗き見されないようにするためには、
・XさんとYさん用の鍵
・YさんとZさん用の鍵
・ZさんとXさん用の鍵
の3つが必要になります。

つまり、N人のやり取りを共通鍵暗号方式で実現しようとした場合、
「N(N-1)/2」個の鍵が必要になってしまうのです。
100人のやり取りであれば、4950個もの鍵が必要になります。

共通鍵暗号しか無かった時代、アメリカ合衆国は何トンもの鍵を船で輸送していたと言われています。

こうした共通鍵暗号のデメリットを解決したのが、1970年代に発明された「公開鍵暗号」という概念です。