人工知能(AI)が奪うもの
かつて産業革命時代に人間の力仕事が機械に置き換わっていったのと同様、21世紀は、人工知能(AI)によって、知識系の仕事はがどんどん機械に置き換わっていきます。
典型例が、弁護士や税理士、会計士、医師などの高度専門知識職業です。
知識のルーチン化が仕事とものは、あまねく代替されていく運命となります。
このような情勢において、ラダイト運動(機械の打ち壊し)は徒労です。
我々は、今から備える必要があります。
人工知能(AI)の弱点
人間にできて、人工知能(AI)にできないものがあります。
まず、「知恵」の活用です。
今までの知識のパターンに当てはめるだけではなく、既存の知識を応用した「知恵」「工夫」、発想力・クリエイティビティ・インスピレーションは、まず人工知能(AI)では再現できない領域だと言われています。
単純な情報の出し入れやパターンの繰り返しといった作業は機械が得意な分野ですが、
「今まで無かったものを構築すること」
「既存のパターンから外れた革新(挑戦)を行うこと」
これらは、人間特有のスキルです。
このためには、日頃「考える」「工夫する」習慣を身につける必要があります。
また、Face to Faceのリアルなコミュニケーションも、コンピューターが弱い所です。
メラビアンの法則というものがあります。
コミュニケーションにおいて重要な要素として、話の内容(言語)はわずか7%に過ぎず、表情や身振り、声といった非言語要素が残り93%の要素となるというものです。
話を伝え、聞くという人類史を通底するコミュニケーション活動は、まずコンピューターに置き換わることはありません。
最後に、影響を与える・モチベートすること。
これも、人間だからこそ、なせる技です。
人は皆、誰かに何かしらのきっかけを与えることが出来ます。
発すること、まずそれはゼロではありません。
もし、全人類がやる気を失い、24時間ベッドでゴロゴロしていれば、
他の動物と何ら変わらない社会となります。
コミュニケーションとも通じますが、人間ゆえの特性をまとめると、
①知恵を使うこと
②コミュニケーションすること
③影響を与えること
この3点になります。
人工知能(AI)がもたらす未来社会
人工知能(AI)によって職がなくなる、そのように言われますが、既存の産業をそのまま続けるという前提ならば、確かに職が無くなります。
しかし、人間ならではの価値が相対的に上昇し、価値がシフトするとも言えます。
社会の側が、産業形態が変化することになるのです。
既存の形態にしがみつき、価値転換のダイナミズムを受け入れることが出来ないと、おそらく辛いのではないでしょうか。
視点を変えれば、より「人間的な社会」が到来することになります。
仕事は「作業」や「歯車」ではなく、
「人間ならではの価値創造活動」
となるのです。
より面白い産業が今後どんどん生まれるものと思います。