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「原価」の正しい使い方

「原価」という言葉、使ったことあると思います。

日常、意外と登場するこの言葉、正しい理解のもと利用しているでしょうか?

これは、会計士の人が聞いたら「違う!」と指摘される代表例です。

 

日常、意外とよく使う言葉のわりには、

なかなか詳しく知る機会はないと思いますので、解説してみたいと思います。

 

会社が利益を得るまでにかかった経費、これが「原価」です。

業種によって様々ですが、ここでは製造業を例に考えてみます。

 

物を作って売るまでの流れは、大まかに3ステップです。

 

「仕入」:製品を作るためには、まず原材料を購入します。

「製造」:仕入れた原材料を加工し、製品を作ります。

「販売」:完成した製品を小売業者や卸売業者に売ります。

 

これらそれぞれのステップでお金が発生します。

たとえば、仕入れるには当然お金がかかりますし、

製造では工賃、電気代、ガス代もかかります。

販売でも営業マンの人件費や広告宣伝費がかかります。

 

経営活動の様々な場面で発生したお金を計算すること、それが原価計算です。

会社の活動は、「製造活動」「営業活動」の2つに分けられます。

 

つまり、

「仕入」と「製造」の部分が「製造活動」。

「販売」の部分が「営業活動」です。

 

「製造活動」で発生した原価を、会計用語で「製造原価」と呼びます。

「営業活動」で発生した原価を、会計用語で「販売費及び一般管理費」と呼びます。

そして、「製造原価」と「販売費及び一般管理費」を合わせて、「総原価」と呼びます。

 

よく小中学生が「原価」という言葉を口にします。

「この900円のパスタは原価200円だから、700円の儲けだね」

「この缶ビールの原価は80円らしいから、200円まるまる儲かるんだね」

とかです。

ここで「原価」と呼んでいるのは、「製造原価」のことを指しています。

つまり、営業活動の分の原価を忘れてしまっているということです。

儲けとは「粗利」のことです。

 

粗利の公式は、

「粗利」=「売上」ー「総原価(製造原価+販管費)」

ですから、

「製造原価」は「総原価」の一部に過ぎませんね。

 

まとめると、以下のようになります。

「総原価(製造業)」=「製造原価」+「販管費※」

※「販売費及び一般管理費」は長いので、「販管費」と呼んでいくことにします。

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